~お知らせ~

世には多くのすばらしい刺しゅう講師の方々がいます。
高額なレッスン料金に見合うだけの、素晴らしい技術と知識がそこにある。

けれど、この世の中にレッスンに通えるだけの余裕があり、
刺しゅうを楽しむだけの時間と、習える場所に住んでいる方がどれほどいるだろうか。

私の望みは「一人でも多くの方に刺しゅうに親しんでもらいたい。」という思いです。

2017年3月9日木曜日

レッスン7:世界一楽な額装

刺しゅうを始めるうえで、刺しゅうした布を何に仕立てるか。
これはすごく大切なことと思います。

でも、初めてだからこそ数をこなしてやってみたい。
練習だからこそ、たくさん作ってサンプルにしてみたい。

そんな自分用に作るフレーム。
で、あるならば。

こんな楽ちん額装はいかがでしょう。

ちなみに、私のワークショップで1回ぽっきりで作成するフレームは
少しでも刺しゅう時間を長くとるために全部この方法で仕上げます。

とか何とか、前置きが長い理由は。

刺し終わった刺しゅうを額の大きさにカットして
「シールフェルトを張り付ける」だけ、だから。

ちなみに、シールフェルトは100円ショップでも購入することができます。
手芸店での購入の1/2か1/3くらいの価格で同じサイズが手に入ります。

ですが、接着力が甘く接着面を指で触れてしまうと
簡単にフェルトから接着材が指のほうへと剥がれて移ってきます。
なのでちょっと割高でも、手芸店での購入をお勧めします。

また、接着剤は色が変わったり材質が変わったりします。
セロハンテープを張り付けた紙や布が数年たったものを想像していただけると
最終的に仕上げたものがどうなるかが想像しやすいと思います。

なので、そういう意味でも手芸店での購入をお勧めします。
経年することも考えたうえで作られているものだから

とはいえ、テープ等で張り付けたのと大きく違う点は、
接着剤の変色は全体が均一に起こるということ。

カーテンとか敷きものとかでご想像いただくと分かりやすいかと思いますが、
一か所だけが変色するのは気になるけど、全体が変色するのは意外と気にならない。

特に、布が厚くて額装するのに手間がかかるコングレスなどは
この方法がとても有効と私は感じています。

2017年3月8日水曜日

レッスン6:布の購入について

布の切り売りのお店(ネットのお店)についての話題で、
「○○店は、ほぼ注文通りの長さの布でハサミで切らずに破って送ってくる。
でも、△△店は注文より20cmくらい長くハサミで切って送ってくれる。
だから、○○店より△△店の方で買ったほうがいいよ。」という話があった。

今日は「果たしてそうなのだろうか。」というお話。

まず、このお話をした方が言っていたポイントをまとめてみる。
①布を切るとき、ハサミで切ったほうが丁寧に扱っているように感じる。
 破かれると断面がボソボソだし、雑に扱っているように感じる。
②注文通りの長さより、20cmくらい長いほうがお得。

では、実際はどうなのか。

布は実際使用するとき、布目に沿って地ならしして使うわけで。

①布をハサミで切らずに破く理由は、布目に沿ってカットするためで
 扱いが雑だからではない。

 むしろ、布が手で破れるかどうかを把握している事に注目すべき。
 布のカットラインを目安に地ならしすることもできるし、
 この方法でカットしてくれているとかなり扱いが楽なことも多い。

②ハサミで切っているお店が20cm長く切る理由は、ハサミで切る時に
 布目に対して斜めに切っていても大丈夫なように余分に切っている事が多い。

 おまけを沢山してくれる太っ腹な店かどうかの判断は、
 絶対に手で破れない厚さの布を購入すると答えが出る。
 明らかに織が荒くて少し注意したら布目に沿って切れるのに、
 布地に対して斜めにカットしていたら。
 曲がっていても注文分の長さが確保できているようにするためということになる。

<おまけ>
まれに本当に太っ腹で布地に沿って切ってあるのに20cmくらい長めの店もある。
きっとクチコミで布の長さを多めにカットしているお店の評価が高いからと思う。

知らないがゆえに、お店を悪く思わなくて済むようにできたら。
それは自分も幸せだし、お店も幸せだし、素晴らしいことと私は思うのです。

2017年3月4日土曜日

レッスン5:針とハサミを大切にする方法

刺しゅうをする上で最低限必要な道具と言えば、針とハサミ。
今日は祖母流ですが、この2つを大切にする方法を書きたいと思います。

<究極に大事にする方法>

針とハサミを大切に出来る方法の究極を言うなら、
錆させないための「汚さない」「濡らさない」「触らない」と、
ハサミに関してはもう一つ、切れ味を維持するための「切らない」です。

「おい!!!!」ってなるよね。うん。スイマセン。

到底出来そうにない話をしても仕方ないので、
まず、出来そうな事から。

①錆を防ぐため、ハサミは絶対に刃を触らない。
②新品の針を使う時は、使う針以外の針に触らない。
③ハサミの切れ味を維持するために、
 ハサミは2本用意して薄地用と普通地厚地用に分けて使う。
 そして、布以外切らない。糸も切らない。切る時は刃全体を使う。

<スーパー丁寧なお手入れ方法>

針もハサミも錆が敵です。
では、どうしてハサミや針は錆びるのか。

汚れ、手汗や湿気、水分などが理由。
なので、お手入れに有効なものは「エタノール」と「油」となります。

エタノールで汚れと水分を払い、油で水に対する抵抗力(保護)をつけます。

①手入れ準備。
 ・薄手の布にミシン油をしみこませた布を用意します。
 ・薬局にて無水エタノールを購入。

②針のお手入れの仕方。
 ・使用した針はエタノールでさささっと拭いてから、
  ミシン油をしみこませた布でさっと拭く。
 ・収納場所は、水気のない場所を選ぶ。
  油分があるものにくるむ、刺す等。

③ハサミのお手入れの仕方。
 ・ハサミの表面をエタノールでさささっと拭く。
 ・ミシン油をしみこませた布で表面を拭いた後、
  ミシン油をしみこませた布を刃全体を使って1カットする。
 ・ミシン油をしみこませた布でくるんで保管。

<錆びちゃったときはどうする>

正直に言ってしまうと、錆びちゃった事を何となくごまかして使う。
選択肢はそれしかないです。

針の場合は、お弁当に使うアルミ箔でこする、磨く等。

いずれにしても、錆は見た目的にとれるけど
錆びた部分は人間でいうカサブタ状態になっているので、
無理にカサブタを剥いだところがどうなっているか。

まぁ、言わずともですよね。
傷一つない奇麗な皮膚にはなってません。

特に針の場合は、こすった時はきれいになるし、使えるけど、
針の表面にはアルミでこすった傷も付いているので、
モノとしてはもっと錆びやすくなります。

<ハサミについてのおまけ知識>

お裁縫に使うハサミと普通のはさみの違いは、
それは刃ついている角度、つまり刃の薄さです。

専門的なことは分からない私ですから、
知っている限りのお話をしますが。

薄くやわらかな布を切るための布切りハサミは、
ハサミの刃をペラペラに作ってある。
と思って頂ければ分かりやすいと思います。

しかも!ただ薄くしているわけではなくて、
刃全体にエッジをかけて「)」状になっていたりと、
薄い刃先を作るために複雑で繊細な調整が施されています。
刀みたいなものとって思ってもらえると近いのかな。

それに対して、紙を切るハサミや、プラスチックを切るハサミ、
金属を切るハサミは、刃の角度が大きく、分厚くなっています。
こちらは裁断機を思い浮かべていただければと思います。

つまり、同じ形だけど切るメカニズムがまず違います。
そして、薄い刃は欠けやすく、擦り減りやすい。

なので「布きりばさみで紙を切ったら切れなくなるよ」という話がありますが、
そんな甘いもんじゃないぜ?という話をしますと、

「布きりばさみの一部だけで布(糸)を切ってたら、
噛み合わせが狂って布が切れなくなるよ」という事が起きます。

なので、布きりばさみで糸を切るなんてもってのほかです。
布きりばさみだからと、薄手の布からデニムまで
好き放題に切っていても薄手が切れなくなります。

また、化学繊維も繊維の成分や硬さが特殊になるので、
糸きりばさみで切る際も、切れ味を損なう要因になります。

布きりばさみは、切れ味優先で高額なものにすると包丁と同様に、
錆びやすく手入れが必要になります。

それに対してお手頃な価格のものは、
切れなくなったら買い換えるという選択が生まれます。

2017年3月2日木曜日

レッスン4:偶数本の糸の通し方いろいろ

今回は偶数本の刺しゅう糸を針に通すときの糸の通し方をご紹介。

左側から①②③とナンバリングしてのご紹介。
糸は全部同じ長さのものを使用しています。

<解説>
①輪にした方が下で、分かれている方が上。
余り糸や短めの糸を小さなスペース分刺すときに有効な糸通しの仕方です。
刺し始め1目を刺した時、布裏でこの輪に針を通すことで、
簡易糸始末を終えた状態で刺し始めることができます。
・長所、糸始末が楽。
    コブにならない。
    自由刺しゅうを刺すときは最強。
・短所、カウント刺しゅうでこの止め方をすると、
    穴をふさいでしまうので最初の一目の形が崩れやすい。

②輪にした方が上で、分かれている方が下。
クロスステッチやこぎん刺しなど、同じステッチをたくさん並べる刺繍で、
糸によりをかけずに平行に、ふわっとさせたい時に有効な糸通しの仕方です。
輪にした糸を針に絡めて、針のお尻に糸を固定することで、
針のお尻とステッチした部分の2点で糸よりを完全に固定することができます。
この糸通しの仕方で糸がねじれてくるとしたら、それは全て刺し手です。
クルクルと針を回せばまた奇麗にそろった糸になります。
・長所、ずっと同じテンションのより加減でステッチが刺せる。
    ザクザク刺し進める、スピードが出せる。
    カウント刺しゅうを刺すときは最強。
・短所、針のお尻の固定部分の糸が布に引っかかるので、そこだけ糸の劣化が早い。
    針から糸を外しにくい。

そして最後の③は、
2本の糸を普通に引きそろえて糸通ししただけ、
①のように使用することが出来ない短い糸に有効な通し方です。
・長所、基本的な糸の通し方なので扱いやすい。
    何はともかく、「普通が一番」という言葉もある。
・短所、針穴の中でそれぞれの糸が自由にくるくると回れるので、
    気を使って丁寧に刺さないと糸がそろわなくなってくる。

<おまけ>
通常、お教室で教えられるのは③の方法です。
そして、楽する方法として①を教えて下さる先生もいます。
②は私の祖母がこぎんを刺していた方法で、一般的ではない方法です。

どの糸通しをしてステッチをするかは・・・
「あなた次第だ!」

2017年3月1日水曜日

レッスン3.5:刺しゅう糸の長さをはからずに40~50cmに切る方法

「40~50cmの長さをいちいち測るのめんどくさいから」という方に
お勧めの物差しいらずな糸の長さの測り方をご紹介します。


糸をつまんでぶらりと下げる。
写真ではわかりやすく、30cm物差しをつまんでぶら下げてみました。

①クロスステッチを1本どりで刺す場合の長さが欲しい時、
 つまんだ状態の「手」2つ分のところが約20~25cm。

②40cmくらいの長さが欲しい時は、肘のちょっと下あたりでカット。

50cmが欲しい時は、①を2回分、もしくは、②+10cm位を目測でカット。

これなら使用用途に応じて、道具を使わずに
糸をだいたい同じ長さで切りそろえることができます。